注文住宅の家づくりとは

注文住宅の家づくりを知ろう!

目次

注文住宅の家づくりって?

新築の選択肢としては、ご存じの通り注文住宅と建売住宅(分譲住宅)の2種類があります。

この2つは、家づくりのコンセプトからして根本的に異なります。

建売住宅は見栄えは直近のトレンドに合わせて美しく仕上がっていますが、これはとにかく売りやすく、そして利益が出やすく建てられた家で、言い換えれば販売側の論理にたった家ということができます。
そして、そこに住む人は購入した家に合わせて生活をしていかなくてはなりません。

一方の注文住宅では、まず家族の生活、ライフスタイル、つまり家とともに家族の未来をどのように描いているか、があって、それに合わせて家をつくることを大前提としているため、建売住宅とは発想は逆になります。

そして、建売住宅では「家を買う」ということになりますが、注文住宅ではまさに「家をつくる」ということになります。

注文住宅は建売住宅よりも費用も労力もかかるのは事実ですが、長期間にわたって家族の生活の基盤としての役割を果たす家で暮らす中で、将来的には建売住宅では得られない多くのリターンが得られるんじゃないかと思います。

どちらも一長一短がありますので、建売住宅の存在を全く否定するものではありませんが、一生に何度もない家の建築ですから、私は予算等の諸条件があえば注文住宅の家づくりにチャレンジしてみることをおすすめしたいと思います。

注文住宅と言ってもいろいろ

一口に注文住宅と言っても、全国展開しているような大手のハウスメーカーが手掛けているものから、地域密着で活躍している工務店が手掛けているものまで様々あります。

多くの場合、全国展開しているような会社が注文住宅と呼んでいるのは、パッケージ商品型です。
パッケージ商品型というのは、家を商品として捉え、家のプランや仕様においてお客様に選択肢を与える形でパッケージ化しているものです。商品としての規格があるので、プラン・仕様に自由度が少なくなっています。もしお客様が選択肢以外の選択をしたいといった場合には、そのパッケージ商品の規格からはずれた家になりますから、かなりのコストアップを求められることも少なくありません。これはセミオーダー的な家づくりと言えると思います。

対して地域密着で活躍している施工会社の注文住宅は基本的にフルオーダーメイドの家づくりです。
こうした業者はお客様のご要望にとことん寄り添う家づくりをするところが多いと思います。

このように細かい注文に応えられるのは地域密着型の施工会社(工務店)の方が多いのですが、一般的に地域密着型の会社の場合には、大手ハウスメーカーのように商品化されていない分、施主にとってはわかりにくく、デザイン性も見劣りするケースが多いのが難点と言えます。

信頼性とデザインを優先させれば大手がいいですし、細部にわたって狙い通りの家づくりを進めたいなら、地域密着型ビルダーがいいでしょう。

但し、あくまでこれは一般論なので、今は施工レベルが高く、デザイン性にも優れた地域密着型ビルダーもかなり増えている印象があります。

注文住宅と家の快適性の関係

まず家の快適性を実現するには温度・湿度・音といったバリアを少なくして人の負担を軽減することが重要です。そしてそれに加えて、当然のことながら、快適性には、そこに暮らす人のライフスタイルに合った設計、考え方やセンスに合ったデザインが不可欠です。

まずライフスタイルについて言えば、例えば、年配の夫婦2人の家では、その家で過ごす中心の場所を考え、間取りや採光を検討したり、生活の中心となる動線をコンパクトにしたり、階段の昇降に負担があるなら、勾配を緩くするとか、資金的に余裕があるならエレベターの設置とか、もしくは階段のない平屋の設計なども選択肢になるかもしれません。また、30代の夫婦で子供2人の家の場合では、子供の育て方の方針で、施主の望まれる設計は変わってきますし、子供が独立した後の家の使われ方まで見据えた設計を望まれる施主もいると思います。

そしてデザインについては、施主のセンスや考え方が特に反映される点です。デザインのイメージが施主に合わなければ、心地よく快適な家にはなりません。多分、自分の家のデザインが気に入らなかったら、家に帰ってきて外観を見るだけで不快感を覚えてしまうでしょう。エクステリア、インテリアデザインともに、施主のセンスや考え方が実際に反映されてこそ、暮していて心地よい、つまり快適な空間が生まれます。

このような施主の要望を実現するためには、やはりオーダーメイドの家づくりである注文住宅が適しています。建売住宅では、完成済みの家の設計・デザイン等に、施主のご家族の生活をはめ込む形になりますから、どこかに無理が生じる可能性があります。

しかし、注文住宅だからと言って、施主の要望通りの家になるかというとそうでないケースも出てきます。その要因は、主に二つあります。一つ目は、施主が自身の役割を果たしていないケースで、もう一つが、業者側が自身の役割を果たしていないケースです。施主と業者がそれぞれの役割を果たすことで、本当の意味での注文住宅が完成すると言えます。それぞれについて次から説明します。

注文住宅における施主の役割

注文住宅において、注文する側の施主には、いろいろなタイプの方がいます。

その中には、多くの業者さんから相見積りをとって、金額交渉、駆け引きに非常に力を入れる方がいます。相見積りを取ること自体はいいことですが、度を超して業者さんを競合させて金額交渉することは、あまり望ましいことではありません。安い金額で契約できたと喜んでも、注文住宅は既製品ではなく、オーダーメイド品なので、業者側では、その契約金額なりの家を施工しようとするはずですし、そもそもそういった金額交渉の末に契約に至った注文住宅の施主の方に対する業者側の心証は、決していいものではないため、家づくりに重要な信頼関係は生まれません。そして、そうした注文住宅の施主は金額交渉に力を入れているため、一番重要な施主自身のご要望を業者側にうまく理解してもらおうという努力が足りないケースが少なくありません。

注文住宅の施主の重要な役割は、家族の暮らしを新しい家とともにどのようにしたいのかを業者に十分理解してもらい、その実現のためにはどんな家にすべきなのかを業者とともに真剣に考えることです。(当たり前ですが、本当にどうしたいのかは注文住宅の施主自身にしかわかりません。)その大事な部分をほとんど業者任せにしていては、実際に完成した家に住んでみてから、「こんなはずじゃなかった...」と後悔する恐れがあるのです。

これに対して、どんな暮らしを実現したいのか、そのためにはどんな家がいいのか、を真剣に検討するような注文住宅の施主に対しては、業者も真剣に応えようとしますし、そこにはいい家づくりの基盤ともなる信頼関係が生まれてくるでしょう。

注文住宅における業者の役割

上記の注文住宅における施主の役割を果たし、実際に注文住宅の施主が自身の要望を業者側に理解してもらおうと努力しても、業者側がそれを受け止められる力がないと施主のご要望通りの家に仕上がるわけはありません。

注文住宅の施主は、具体的にどうしたいのかについては、伝えたくても漠然としていることが多いものです。業者側にはそれをうまく引き出し、受け止めて、具体的なイメージにしていき、注文住宅の施主の要望を実現させるためには家にどのような機能が必要なのかを注文住宅の施主にわかりやすく提案する役割が求められます。いろいろなタイプの施主がいる中で、要望を十分に引き出し、うまく家というカタチに落とし込むことは難しいことですが、そこが業者側の腕の見せ所、やりがいになります。

建築に携わるプロとして的確なアドバイスと具体的な提案を行い、施主との信頼関係を強固なものにしながら、施主と協同作業で家づくりをすすめることが業者側に求められる重要な役割だと考えています。

失敗しない注文住宅のための最重要ポイントとは?

このサイトでは注文住宅の家づくりに関していろいろな情報を提供していますが、その目的は注文住宅の家づくりに成功していただきたい、というただ一点に集約できます。

それは、裏を返せば、注文住宅を建てたけれどその後の新居での生活に不満が残る、後悔している部分がある、という方が結構いるという現状認識に基づいています。

簡単にはいかない注文住宅の家づくりですが、失敗しないためポイント(成功するためのポイント)は多岐にわたります。

このような数多くのポイントの中で管理人が最重要ポイントを位置づける点は何でしょうか?

公開日:
最終更新日:2016/09/23