自然素材は有害?

自然素材の理解を深めよう!

自然素材のメリットで少し触れたように、「自然素材」は生物や地球環境に優しく素晴らしい素材ですが、誰にとっても100%安心・安全かというと、そうではありません。
人によっては有害になる場合があることは知っておくべきだと思います。

一般的にはあまり知られていませんし、業者でも知らない人は多くいますが、代表的な自然素材である無垢材からも化学物質が出ています。

具体的には「木の香り」のもととなっているαピネン、柑橘類の芳香成分として知られるリモネンなどテレピン類(テルピン類と表記する場合もあり)などです。
(シックハウス症候群で一番問題となった有機化合物のホルムアルデヒドを出す無垢材もあります。基本的にはわずかですが・・・)

「木の香り」というと森林浴のような癒しやリラックスのイメージがあると思いますし、柑橘類の香りを不快に感じる人も少ないでしょう。

しかし、このように確かに多くの方にとって癒しやリラックス効果のあるαピネンやリモネンでも、現代では住宅の気密性が格段に向上し、室内の濃度が高まってしまうケースがあることが問題視されています。

したがって、通常のシックハウス対策と同様、総揮発性有機化合物(Total Volatile Organic Compounds; TVOC)の暫定目標値(400μg/m3)を超えるテレピン類が検出される場合には、入居前にできるだけ放散させ、入居後はこまめな換気が必要と考えられています。

多分誤解されている方が多いと思いますが、化学物質とはいっても、いわゆる一般的に認識されている人工的な合成化学物質以外にも、自然由来の化学物質(天然化学物質と言ってもいいかもしれません。)があります。

「木の香り」のもととなっているαピネン・リモネンは天然化学物質ですが、体に与える影響を考える時には天然と人工の区分けはありません。
したがって天然だからといって、100%安全かというとそうではないのです。

また、総揮発性有機化合物の濃度の問題ではなく、成分そのものにアレルギー反応を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

例えば、代表的な無垢材の青森ヒバは、ヒバ油の中にヒノキチオールというフェノール系の有機化合物を含んでいます。
(日本のヒノキにもわずかに含まれていますが、わずかです。それなのにどうして、ヒノキという言葉が名前に付いているのかというと、ヒノキチオールが最初に発見された木がタイワンヒノキだったからです。)

この物質は抗菌、防虫作用があるために、青森ヒバは土台で使用される代表的な木材となっているのですが、その物質が人によってはアレルギー反応を引き起こす場合があります。

他にも、塗料として使用される天然の油、ハーブオイル、うるし、テレピン油(松の油)なども同様ですし、構造材、造作材で使用するスギ、ヒノキ、マツにアレルギー反応を起こす人もいます。

こんなことまで書いてしまうと、
「自然素材って実は安全じゃないのか~」
と不安に感じられる方も出てきてしまうかもしれませんが、私は決して「自然素材」に対する不安感をあおりたいわけではありません。

いろいろとネガティブなことを書いてしまいましたが、それらは事象として発生する可能性はあるものの、通常はそれほど多く発生するものではありません。

ただ、「自然素材」をその印象やイメージだけで100%安心・安全なものとして認識していると、確率が低いとは言え、ネガティブな事象が起こった場合、大変大きな問題になってしまうので、注意喚起として「そのようなこともありえる」ことを頭の片隅にでも置いておいてほしいのです。

そして、普段の生活からご自身、ご家族がどんなものにアレルギー反応を起こすのかについて知っておくことも必要だと思います。

失敗しない注文住宅のための最重要ポイントとは?

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公開日:
最終更新日:2016/09/23