注文住宅を成功に導く後悔しない土地探し6つのポイント

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当たり前ですが、家づくりにおいては、土地探しはとても重要なポイントになります。

注文住宅を建てようとする時、建て替えの場合や親から譲り受けた土地があるとか既に土地を確保している場合を除き、まず建物を建てる土地を探さなければなりません。

しかし、土地を探すことは、簡単ではありません。

法律的な知識も必要ですし、気力・体力を使いながら根気強く行動しなければなりません。ただし、根気強く行動していれば、自分に合った土地が見つけられるという保証はなく、タイミングや運にも左右されます。(よく土地は縁ものなんて言いますよね。。。)

土地探しは簡単ではありませんが、知識としていくつかのポイントをおさえておけば、土地購入に関する様々なトラブルを回避でき、結果として土地をうまく選ぶことができる可能性が高まります。

知識は自己防衛の手段です。以下の6つのポイントをおさえて、自ら行動し、あとはいい巡り合わせ(ご縁)に期待しましょう!(天は自ら助くる者を助く)

目次

土地探しの前に整理しておくべき重要なこと

いざ土地を探すことになった場合、多くの方はまずいろいろと土地に関する情報を集めようとすると思います。もちろん、それ自体はとても重要でいずれはしなければなりませんが、それより前にやっておくことがあります。

それは、何でしょうか?

それは、自分たち家族の新しい生活を具体的にイメージし、土地に求める希望条件を整理するということです。
新しい土地、新しい家で家族はどんな暮らしをしたいのか、そしてその暮らしを実現するために、土地に何を求めるのか、家に何を求めるのかを整理しておくことが重要なのです。

土地に求める希望条件をできるだけ挙げて、優先順位付けをしておくことが必要です。実際に、土地探しを始めると、多くの情報が入ってきて、知識と相場感が身に付いていきますが、意外とずっと曖昧なままにしておきがちなのが、希望の優先順位です。

土地を探すことは、相当なエネルギーを使います。積極的に行動していても希望の物件はなかなか出てこないものです。数か月で見つかった場合運がいいと言えるでしょう。半年から1年くらい探している人は普通ですし、1年以上探している方も多くいます。それだけ、自分の希望に合った土地を探し出すのは難しいと言えます。

当然のことながら、自分の希望に全て合った土地を見つけることはできないので、どこかで妥協することになるわけですが、かなり長く物件巡りをしていると疲れてきて冷静な判断ができずに、本来は優先順位の高い要望について安易に妥協してしまって、契約してしまうケースが見受けられます。

これでは、後々後悔することになります。

人は物事を判断する時、最終的にはその人の価値観で行われます。その価値観において、優先順位を明確にしておいて、ぶれないことが重要です。

土地に求める希望については、土地の広さ、通勤時間、駅からの便、周囲の環境、地盤などいろいろとあると思いますが、人それぞれ優先順位は異なりますから、自分も含めた家族の優先順位を明確にしておく必要があります。この優先順位はとても重要ですから、家族とよく話し合って決めるべきです。あまり多すぎても、判断しにくくなりますから、これだけはゆずれないという要望を3つくらいに絞っておくといいでしょう。それ以外は、あったら更に嬉しい希望としておくべきだと思います。

優先順位が明確になっていれば、いざそれらに合った物件が出てきた時に、すばやく適正な判断ができます。明確になっていないと、判断が遅れて迷ってしまって、他の人に先に契約されてしまったり、本当は高い優先順位の要望まで妥協してしまって、なんとなく契約してしまうことになりかねません。

また、優先順位を明確にしておくことに加えて、土地探しは最初から長くかかるものだという認識のもと、焦らないで冷静な判断力を保ち続けることが必要です。

前述のように、土地探しは長期戦になることが多いので、最初から長期戦覚悟で取り組みたいものです。期間に余裕がないと、焦りが生まれます。焦りは冷静な判断力を奪います。土地探しに期間と気持ちに余裕がないと、このように負の連鎖が生まれますから、なるべく計画的に長期戦覚悟で臨むようにしましょう。

(短期で見つけなければならない場合も、優先順位は明確にして、判断力は付けておき、常にすばやく行動できるような体制にしておくべきだと思います。)

以上のことは土地を探すうえでの心構えみたいなものですが、もっておくのともっていないのでは、その後の実際の土地探しで判断力や精神面で変わってくると思います。

土地の購入パターンと注意事項

土地を購入すると言っても、大きく分けると以下の2種類あります。

  1. 建売住宅・分譲住宅のように、土地と建物をセットで購入する。
  2. 土地を購入してから、建物を建てる。

最初の建売住宅・分譲住宅については、既に完成している建物を敷地とセットで購入します。建売住宅・分譲住宅はその時のトレンドをデザインに反映し、外観上売りやすいものに仕上がっていますが、それは売り手の理論(売りやすい、利益の出しやすい)で作られているので、見えないところでコストダウンするなど、施工程度の悪いケースがあることに加え、住む人が既に完成している家に暮らしを合わせなければならないため、しっくりいかない部分が多くなりやすいという面があります。

ただし、土地とセットで購入するという契約面を考えると、土地を購入してから、建物を建てる場合の2に比べると、手続き上も簡便で、契約が同時期なので資金面での計画を立てやすいメリットがあります。

一方の2ですが、まず土地の売買において売買契約を結び、建物を建てる時に請負契約を施工会社と結ぶ必要があるという契約手続き上の煩雑さに加え、資金面でも土地と建物の契約が別の時期なので、総費用の把握がしにくいために当初の計画からのズレが生じやすく、後から契約する建物にしわ寄せがいくケースも見られるなど、資金計画、資金管理により神経を使うことになります。

このサイトは注文住宅を成功に導くためのガイドですが、注文住宅の場合には、建て替えや親の土地などで既に敷地を確保していない限りは、2のパターンで行動するしかありません。

前述の通り2のパターンは煩雑で、より多くの神経を使いますが、将来長く住むことになる人生における一大イベントである注文住宅といういう家づくりのために、積極的にチャレンジしてもいいのではないでしょうか。

一方で2のパターンでは金額的なメリットがあります。それは、仲介手数料です。
建売住宅では、土地と建物の金額に対して仲介業者に仲介手数料を支払う必要がありますが、2のパターンでは、土地の仲介手数料だけで済みます。仮に2000万円の建物だとすると、66万円の仲介手数料は必要なくなるわけです。(仲介手数料については、後述します。)

とにかく、できるだけ納得のいく形で家づくりを進めていただくためにも、面倒だからということで、最初から売り手サイドの家づくりの建売住宅に決めるのではなく、注文住宅のために土地探しから始めることも選択肢にしていただきたいと考えています。

さて、表向きは2のパターンとは言っても、トラブルが多く気をつけなければならないのは、建築条件付の土地です。この点について、少し詳しく説明したいと思います。

建築条件付では、土地の売買契約の後に指定の建築業者と建物についての打ち合わせを行い、建物の計画が決まってから、一定期間内に建築工事請負契約を締結する形になります。この問題点については、既にいろいろと情報を入手していればご存じかもしれませんが、建築業者が指定されていることです。

建築条件付はあくまで、土地の売買契約が最初にあって、一定期間内に建物の建築工事請負契約を締結すればいいのですが、指定の建築業者は、早く建築工事請負契約を締結したがります。

ありがちなパターンでは、お客様の希望をよく把握しないままに、出来合いのラフプランをお客様に提示して、「変更は、お客様の希望で何とでもなりますから」と言って、土地の売買契約と同日に建築工事請負契約を締結させるものです。

その後の変更が多くなり当初よりも大幅にコストアップしてしまう、建築業者からは希望のプランが出てこない、などのトラブルが発生しても、建築工事請負契約を締結しているので、解約しようとしたら、違約金を払わなければならないことになってしまいます。

結局、最初から建築業者が指定されているため、家づくりは建築業者主導になってしまいます。コストが上がっても、いいプランが出てこなくても、受け入れなくてはいけないのが問題です。

したがって、建築条件付の土地を購入する場合には、以下の点に気をつける必要があります。

ラフプランではなく、デザイン、間取り、仕様、設備などが決まり、その見積金額が自分として本当に納得できるまでは、建築工事請負契約を締結しない。(特に土地の売買契約と同日に建築工事請負契約を締結するようなことはしない。)

そして、土地の売買契約に以下の条項が入っているかを確認しましょう。

  1. 一定の期間内に建築工事請負契約を締結することを条件とすること
  2. 1の請負契約をしなかった場合、建築をしないことが確定した時は、土地の売買契約は解除となること
  3. 2により土地の売買契約が解除になった場合、売主は既に受領している手付金等の金員全額を買主に返還すること、及び売主は本契約の解除を理由として買主に対して損害賠償又は違約金の請求ができないこと

それから、指定の建築業者についても自分の選定基準に合うかどうかを判断した上で、土地の売買契約をするべきです。建築業者については、ご自身の納得のいくところにしていただきたいので、最初から指定されている建築条件付の土地は正直おすすめしませんが、どうしても土地が気に入った場合には、交渉次第では、建築条件付をはずすことができる場合があるので、その意思表示はしてみる価値はあります。ただし、はずせる場合でも、業者の利益相当分以上の金額の上乗せを求められることは想定しておいてください。

土地の法的規制

土地には様々な法的規制がついています。購入すれば、その所有権者が何をしてもいいというものではありません。
基本的に所有権は非常に強い権利(物権)のため、物を全面的に支配でき、その処分については所有権者に委ねられますが、土地については、公共の部分との調和を考慮しなければならないため(公共の福祉)、都市計画法、建築基準法、地方公共団体の条例などにより様々な規制がつきます。

その内容についてはとても細かいので、とてもここでは説明しきれるものではありませんが、用途地域や接道条件などにより、建ぺい率や容積率、家の高さ制限、北側斜線、道路斜線などが変わったり、市街化調整区域などはそもそも開発が原則として抑制される地域なので家が建てられないなど、土地の法的規制は家づくりに大きく影響してきます。

これらについては、売買契約にあたり重要事項として宅地建物取引士(旧:宅地建物取引主任者)から必ず説明されます(法律上の義務)が、購入を検討する土地の法的規制についてはご自身でもよく理解しておく必要があります。
最低限知っておかないと、説明を受けても内容をなかなか理解できないでしょうし、最悪法的規制を理解しないままで契約してしまうと、よく知らなかった規制によって新しい家で描いていた希望が実現できなくなる可能性も出てきますので細心の注意が必要です。

土地の法的規制については、書籍でもネットでも容易に入手できるので、詳細はそちらで参照していただきたいと思いますが、なるべく最新の情報を入手するように心がけましょう。

自分で確認しよう!

土地を探し始めると、その土地に関するいろいろな情報について、ネットや紙面で目にしたり、仲介業者から説明を受けることになります。それらの情報のほとんどが、法律(宅建業法)で定められている説明義務のある事項です。これら事項については、仲介業者は宅地建物取引士に説明させる義務を負っています(重要事項説明)が、逆に言えばそれ以外については、説明する必要がありません。

したがって、業者では、法律に抵触しなければ、購入者に不利な情報を教えてくれない可能性があります。(自分の利益だけを考えている業者は、言わなくてもいい余計なことはまず説明しないでしょう。)

そして、そもそも周辺環境の良し悪しの感じ方は、個人によって変わりますから、業者の話をそのまま受け取るわけにはいきません。

ということで、実際に自分で確認することが必要になるのです。

チェックすべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 街並み、周辺の環境
  • 隣地の状況、境界線
  • 日当たり、風通し
  • 水の流れ
  • ライフラインの整備
  • 道路
  • 土地の形状、高低差、地盤
  • 謄本(全部事項証明書)

それぞれ簡単に見ていきましょう。

街並み、周辺の環境

いろいろな時間帯、曜日、天候でその街並みが自分とその家族の生活に合うかどうかを確認します。

例えば駅まで徒歩10分と説明されても、通勤時間帯には開かずの踏切で、それよりもかなりオーバーしてしまうとか、地形や時間帯で変わってくることもあります。(ちなみに、徒歩1分は80mで計算されています。)

そして、夜間の雰囲気(電灯や人の状況)も確認しておいた方がいいかもしれません。

お子さんがいらっしゃるなら子供の通学時間帯の環境も知りたいところです。

また音の確認も必要です。特に交通機関の確認ですが、交通量や電車の運行状況なども確認しておくべきです。

そして、近隣の人たちの雰囲気も確認しましょう。どんな家族構成の人が暮らしているのか、自分の家族とうまく近所付き合いができそうかなど、人の情報は自分で確認するしかありません。

もちろん、学校や公園などの公共施設、病院やお店など生活に必要な点も漏らさずチェックしましょう。

いろいろありますが、すべては家族の新しい暮らしのイメージに合う土地かどうかです。これは個人差があるので、自分たち家族で確認するしかないのです。

隣地の状況、境界線

隣地にはどんな建物が建っているか、その建物の用途は何か、駐車場だけど何らかの建設予定はあるのか、隣地から越境しているもの(屋根や木など)はないか、塀やフェンスなどの仕切りの所有者はだれか、境界ははっきりしているか、などを確認します。

日当たり、風通し

これらは、もちろん向き(南向きや北向きなど)が影響しますが、前面道路や隣地の状況でも変わります。現地で確認しておくべきでしょう。
隣地が大きな区画の土地の場合には、アパートやマンションのような大規模建築物が建設されるかもしれません。日照条件・風通しに大きく影響するので要注意です。

水の流れ

雨が降っている時、降った後の水の流れを確認します。特に、まわりよりも低い土地の場合には水はけが悪くなりますから、状況は確認しておくべきでしょう。

ライフラインの整備

ライフラインとは、水道、ガス、電気ですが、特に上水道と下水道が敷地内まで引き込まれているか、引き込む場合でも本管に許容量があるか、は確認しておきましょう。
実際に家を建てる場合に、これらはコストに大きく影響します。

道路

道路に2m以上接しているか、 幅員は4m以上あるか、これらは最低限の確認事項です。(幅員が4m未満の場合には、セットバックといって、敷地が道路の一部とみなされて削られますし、2m未満しか道路に接していない
場合には、建物が建設できないことになります。)

そして公道なのか、私道なのか、も重要です。特に私道の場合は要注意です。さらに、都市計画道路(敷地の全部又は一部が、将来道路になる計画)の有無も確認しましょう。もし道路計画が実行された場合、立ち退かなければならないので・・・

これらは、重要事項として説明されるはずですが、自分でも知識として知っておくことに加え、自分でも確認しておく意識を持っておいてもいいでしょう。

土地の形状、高低差、地盤

これらは、家を建てる時に大きく影響してきます。

地盤については、見た目で判断しにくいとは思いますが、昔の土地の状況を聞くことができれば参考になりますし、地名でも水に関連する字が入っているか、で推測できることもあります。

例えば、沢、谷、池、沼、港などが含まれている場合、さらに鷺、亀、鶴、ヨシなど低湿地に生息する動植物の名前が含まれている場合などは、かつての名残が地名に残っているかもしれないため、軟弱な土地かもしれません。

ただし、それらのチェックで問題なくても、地盤調査はした方がいいでしょう。地盤については、近隣の土地が問題なくても、その土地だけに問題があるケースはよくあることです。(同じ敷地内でも数M離れただけで調査結果が変わることもよくあります。)

謄本(全部事項証明書)

登記所にいけば、誰でも閲覧可能です。所有者や抵当権の有無の確認も必要ですが、土地の履歴を見れば、どんな土地だったかを確認することができます。工場用地だった場合には、土壌汚染の有無についてもチェックしなければなりません。

以上のように確認事項が多いので、大変なのは事実ですが、そこに長く暮らす前提で考えれば、このくらいの労力は惜しまない方がいいと思います。

それから、現地に行く場合には、情報を得た広告やチラシ、カメラ、巻尺、方位磁石、地図、メモ用紙などを持っていくと便利ですので、お出かけ前に確認しましょう。

仲介業者、レインズの基礎知識

土地を探すには、自分で探す方法もありますが、情報量に限界がありますし、実際に契約となると専門的な知識が必要となります。そのため、宅地建物取引業者(不動産仲介業者)に売り手との間に入ってもらうことが圧倒的に多いのが現状だと思います。

こうした仲介業者に仲介してもらうと、契約に至れば仲介手数料を支払うことになります。この金額については、宅建業法で以下の通り上限が定められています。

  • 売買金額×3%+6万円+消費税
    (これは400万円超の場合で、400万円超の土地のケースが多いので、簡易的にこうしています。)

通常はこの上限の金額を請求されることになります。

物件を右から左に流して、これだけの金額がとれるのですから、その仲介手数料にみあった価値を提供してほしいと思いますが、残念ながら本当に親身になって探してくれる業者さんはそれほど多くないかもしれません。

いずれにしても、自分で売主と直接交渉して売買契約できなければ、仲介業者を間にして売買契約するしかないわけですが、仲介業者にもいろいろタイプがあります。

おおざっぱに分けると以下のような感じです。

  • 大手不動産業者
    センチェリー21、東急リバブル、三井のリハウス、住友不動産などフランチャイズ系の業者が多い。
  • 特定地域の中堅不動産業者、特定の地域で活動する不動産業者(東京都内だったら、ユニハウスとかアップタウンなど)
  • 地場の不動産業者駅前にあるような、長年地場でやっている不動産業者
  • ハウスメーカーなど

それぞれに特徴があります。

まず大手の不動産業者ですが、大手といってもフランチャイズが多く、地場の不動産業者とあまり応対の変わらないところもあります。そして、売主優先のところが多いので、買い手が期待したような熱心な応対ではないこともままあります。

地場の不動産業者は、とっつきにくいところもありますが、コミュニケーションがうまくとれれば、親切に対応してくれることが多いようです。地域が限定されていれば、こうした業者とうまくコミュニケーションをとっておく必要があるでしょう。

ハウスメーカーは、表向きは「土地もいっしょに探しましょう」とか言ってくれますが、基本的に家の契約を取るためのサービスの一貫なので、おざなりの対応のところも多いと思います。

特定の地域で活動する不動産業者ですが、ここは営業マンの教育が厳しいので、一番熱心に営業してくることが多いと思います。真剣に探してくれる営業マンがいますが、その熱心さが買い手にはしつこいと感じさせることもあるかもしれません。

以上のような特徴がありますが、情報を得るために声をかける仲介業者は多ければいいかというとそうではありません。(もちろんある程度は声をかけておく必要はあります。)

その理由は、まず声をかけた業者の数に比例して情報が集まるわけではないこと、そして、たくさんの営業を受けて神経が疲れてしまうこと、です。

声をかけた業者の数に比例して情報が集まるわけではないこと、これについては、ご存じの方も多いと思いますが、理由はREINS(レインズ)というシステムにあります。

REINS(レインズ)とは、REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM(不動産流通標準情報システム)の略称で、不動産流通機構が運営する、売物件情報を全ての不動産会社で共有するオンラインシステムのことです。

不動産を売りたい人、買いたい人、貸したい人、借りたい人に物件情報を素早く提供したり、売却(賃貸)物件を登録し、買主を幅広く見つけるために考えられた不動産情報システムで、宅地建物取引業法に基づき、国土交通大臣の指定を受けた、(社)東日本不動産流通機構、(社)中部圏不動産流通機構、(社)近畿圏不動産流通機構、(社)西日本不動産流通機構の4つの公益法人で運営されています。

ちなみに、レインズの情報は仲介業者は閲覧することができますが、一般公開されていません。私たちがインターネットで見ることができるのは、レインズをベースにした一部の情報です。

よく番地が明確に記されていなくて、町名までしかわからない物件を目にすることがありますが、なぜかといえば、番地までわかってしまうと、仲介業者と介さずに現地に直接出向いて、売主と直接交渉してしまうケースになりかねないからです。

つまり、全ての情報がなぜ一般公開されていないかといえば、仲介業者を中抜きにして、彼らのビジネスの存在意義が薄れてしまうからなのです。

話は少しそれましたが、このシステムのおかげで、大手だろうが、地場の小さな業者だろうが、情報を共有できることになっています。

したがって、レインズの情報はどこでも入手できるため、声をかける業者を増やしても、レインズの情報が増えるわけではないのです。

ただし、全ての物件情報がレインズに登録されるわけではありません。それは未公開の情報ということになりますが、それは後で説明します。

次に、たくさんの営業を受けて、神経が疲れてしまうこと、についてですが、声を多くかければ、営業の電話やメールなどが増えていきますから、営業マンの板ばさみになったり、しつこい営業に疲れ果てることにもなりかねません。

熱心さとしつこさは紙一重の部分もあり、人によって受け止め方が違うから何とも言えませんが、多くの業者に声をかけたとしても、実際に人に会ってみて、感覚的にうまくコミュニケーションがとれそうな人を数人に絞って、それ以外は早めに断ってしまう方がいいと思います。(ウマが合わない人と話していても疲れるだけです。)

このように、仲介業者が多ければいいというわけではありません。

それよりも、自分にあった仲介業者を早く見つけることが重要です。

仲介業者の選び方については次の項目をご参照ください。

仲介業者の選び方

仲介業者の選択については、業者としての信用力を判断する部分と営業スタイルとの相性を判断する部分を知っておきましょう。

仲介業者の信用力については、まず簡単にわかるのは、免許番号の頭についている数字です。(例えば、東京都知事(3)第*****号の、カッコ内の数字の3)

免許は5年に一度更新しなければなりませんが、最初(5年以内)は1で、免許を更新すると2(6-10年)になります。
この数字が大きければ長く営業を続けていることになりますから、信用力の一つの目安になるわけです。ただし、悪質業者の中には、休眠会社の免許を利用して営業年数を偽るところもありますので、これはあくまでも参考情報として見るのが賢明です。さらに、業者名簿を閲覧すれば(誰でも可能です)、もっと具体的な情報を入手することができます。過去の営業成績、資産状況、行政処分などは見ておくといいと思います。

業者としての信用力に問題がないとして、次は営業スタイルとの相性です。

物件は簡単に見つかるケースはまれです。ということで、営業マン(小さいところは社長自身かもしれません)とかなりのコミュニケーションをとっていく必要があります。営業スタイルには、その人個人の性格や会社としての方針がミックスされていますが、好みの営業スタイルは人によって異なります。自分に合った営業スタイルを早めに見極めて、そうでないところは完全に切ってしまう方がいいと思います。

そうやって、仲介業者を絞るとしても、業者にはどんな情報が集まりそうか、という点も考慮しておいた方がいいでしょう。

物件情報には、既にお話ししましたが、レインズに登録されている公開情報以外にも未公開の情報があります。

公開されているレインズの情報というのは、言ってみれば未公開の間に売買が成立しなかった情報です。仲介業者がいい物件と判断したものは、レインズに登録しないで、売買を成立させようとします。なぜなら、売主と買主の双方から仲介手数料を得ることができるからです。(これを業界では両手と言います。)

レインズに登録するかしないかは、売り手と仲介業者が結ぶ媒介契約の種類と売り手の意志によって決まります。一般媒介契約は、売り手が依頼しない限りレインズに登録する義務はありませんが、それ以外の専任媒介契約と専属専任媒介契約は、一定期間内にレインズに登録しなければなりません。

このように、レインズの情報は共通で、未公開で売買が成立せず、幅広く公開されている情報ですが、レインズに登録される前の情報や登録する必要のない情報は、それぞれの仲介業者が握っています。

この情報を入手するのは、簡単ではありませんが、タイプの異なる仲介業者をおさえておくこと、常日頃うまいコミュニケーションをとっておくこと、の両方が必要です。

タイプが異なる仲介御者を入れておくとは、地場の業者も入れておく、と言い換えてもいいかもしれません。

大手や中堅の業者の情報はレインズ中心の似たり寄ったりの情報が多くなります。

地場の業者には、独自のネットワークがありますから、異なった情報が入る場合があります。この情報がおいしければ、地場の業者は自分の販売網(ネットワーク内)で売買を成立させようとしますから、表にはなかなかでてきません。そういう業者とうまくコミュニケーションがとれるようにしておく必要があります。

ただし、電話で一度依頼しておくだけではそんな情報は簡単に入手できないでしょう。実際に会って、自分の要望(予算、希望地区、敷地面積、向きなど)を細かく伝えておく必要があります。

親密に話ができるような間柄になれればいいですが、少なくとも、地場の仲介業者の独自の販売網(ネットワーク内)に自分も組み込まれるように、そして情報があれば業者から声がかかるようにしておきたいものです。

このように話していると、未公開情報は全ていい情報だと思われるかもしれませんが、未公開物件、お客様だけにこっそり、というような情報が全て信用できるわけではありません。売りたいがために、セールストークとしてこのような話をしてくる営業もいますから。そんな時、業者の信用力や営業マンの人間性で判断するのはもちろんですが、それ以外にやはり自分でも相場感を磨いておくことが必要でしょう。

相場感は、物件を見れば見るほどついていきます。ネットや広告の情報でも結構ですが、希望の地域の物件を数多く見ることによって、自然と身についていきます。

そうなると、長く売買成立しないこの物件は高いからだとか、土地の形状が旗型だから安いのかとか、値下げした後に売買が成立した場合にはこの程度が相場か、などとわかってくるようになるので、常日頃自分自身の相場感は養っておくといいと思います。

最後に伝えたいこと

さて、ここまで「後悔しない土地探し」ということで、「6つのポイント」についてご説明してきましたが、とにかく希望に合った土地探しは簡単なことではありません。

巡り合わせ、言いかえれば運という面があることも否定できません。

ただし、上記のようなポイントを認識しておけば、うまく選べる確率は大きく増すはずです。

「チャンスは準備された心に降り立つ」ということは聞いたことはありませんか?

素晴らしく価値のあるものを目の前にしても、それを受け入れる準備ができていないと、チャンスはものにできないということですが、土地探しでもあてはまります。

「準備された心」をもっていないと、もしよい土地に巡りあっても、素通りしてしまって、後になってから、「なんであの時、あの物件で決めてしまわなかったのだろう~」と後悔することになりかねません。

このページの内容は、土地探しのための「準備された心」にするために必要なポイントと言ってもいいかもしれません。
いつ希望の物件に巡り合えるかの保証はもちろんありませんが、「準備された心」を持ち、根気強く物件巡りを積み重ねれば、チャンスをものにできる(土地をうまく探せる)はずです。

巡り合わせでこのページをご覧いただいた、実際に土地を探しているあなたが、希望の物件に早く巡り合うことを祈っています。

参考情報

土地探しは根気強く最新の情報を入手し続けることが必要になりますが、例えば以下のような情報ツールに無料登録しておくと、最新の情報を入手しやすくなりますので、よろしければどうぞ。

住友不動産販売

言わずと知れた住友グループの大手不動産会社で、豊富な不動産情報を有しています。


失敗しない注文住宅のための最重要ポイントとは?

このサイトでは注文住宅の家づくりに関していろいろな情報を提供していますが、その目的は注文住宅の家づくりに成功していただきたい、というただ一点に集約できます。

それは、裏を返せば、注文住宅を建てたけれどその後の新居での生活に不満が残る、後悔している部分がある、という方が結構いるという現状認識に基づいています。

簡単にはいかない注文住宅の家づくりですが、失敗しないためポイント(成功するためのポイント)は多岐にわたります。

このような数多くのポイントの中で管理人が最重要ポイントを位置づける点は何でしょうか?

公開日:
最終更新日:2018/01/19