環境に配慮した家づくり

これからの家づくりで求められること

ご存じの通り、人は自分自身の欲求を満足させるために、限りある資源をどんどん使い、多くの有害な物質をまき散らしながら、様々なものを生み出してきましたが、そこには地球環境、そして人間自身に対してどのような影響が発生するのかという視点が欠けていました。

そのような背景があり、先進国中心に環境への配慮が様々なシチュエーションで叫ばれるようになってから、ずいぶん経ちますが、各国間、団体間、人間間の利害が衝突し、全体としては、なかなか改善が進展していないというのが現状です。

現在もさかんにフォーカスされている地球温暖化が、まさにその典型的な例です。

自分中心、自国中心の視点から、全体(人類や地球)への視点へ変化していく必要がありますが、人間は自分自身の利益が一番かわいいですから、その利益を損なうような環境へ配慮した行動は、なかなかとりにくいのです。
この解決への道のりに近道はありません。結局、個々人の意識変革から行動の変化、その一つ一つが積み重なり、波及していくしかありません。

少し話は横道にそれましたが、家づくりという行為にも、その視点は求められています。

目次

環境に配慮した家づくりとは何か?

これからの環境に配慮した家づくりとは、どのような家づくりでしょうか。それは一言で言えば次の通りです。

循環型社会・環境共生社会に適合した家づくり

これを意識した家づくりは、地球環境に優しい、人に優しい家づくりになっていくはずです。

こうした地球環境に優しい、人に優しい家づくりのポイントを次から挙げていきたいと思います。

住宅の長寿命化の促進

まず、住宅の長寿命化により、資源やエネルギー消費を減らしていくことが必要です。

今は一昔前の日本の住宅のような寿命の短い大量消費型とも呼べる住宅から脱却し、その住宅平均寿命は確実に伸びていますが、今後も住宅の耐久性向上、中古住宅市場の活性化を通じて、更に住宅平均寿命を延ばしていくことが、環境に優しい家につながっていくと思います。

これは「資産形成になる家づくり」にも直結しますので、施主の方々には強く意識していただきたいと思います。

更なる省エネへの取り組み

それから、省エネルギーへの更なる取り組みですが、これは断熱、気密、換気・通気という快適性実現のための要素が大きく関係します。

エネルギーを効率的に利用するためには、熱の損失をいかに少なくするかを考える必要があります。

建売住宅では基準最低レベルの断熱・気密性能が多い中で、注文住宅では、施主の方に断熱・気密性能を十分に意識した家づくりに取り組んでいただきたいと思います。

自然エネルギーの活用

また自然エネルギーを利用することも検討する必要があります。

太陽光発電を利用する一般家庭は既にかなり増え、地熱を利用した基礎などの技術も既にあるように、これからも科学の進歩とともに、一般の人々も住宅に自然エネルギーを活用しやいように変化していくと思われます。

行政の支援も有効に取り入れながら、最新の技術の導入を検討していくことで、地球環境により優しい家につながっていくと思います。

自然素材をうまく採り入れる

そして、家づくりに使用する建築資材には、自然に帰らないものを極力使用しない、リサイクル、リユースできるものを使用するという姿勢が求められます。

そういう意味でも、自然素材をうまく家づくりに生かしていくことも大切です。

自然素材の代表である無垢の木は理想的な建築資材ですし、珪藻土、紙クロス・布クロス、更には塗料や接着剤にも気を配っていくことでより環境に優しい家になっていくことでしょう。

こうした自然素材を建築資材として使用することは、化学物質の発生を少なくすることであり、室内環境を整える機能を果たします。

化学物質として最も有名なものは、ホルムアルデヒドですが、その他にも数百種類もの化学物質があると言われています。
最近の家の建築資材は、公的規格に適合する低ホルムアルデヒド資材になっていますが、絶対安心かというとそうではありません。というのも、人によって、化学物質に対する敏感度はマチマチですし、ホルムアルデヒド以外の化学物質の影響はよくわかっていないのが現状だからです。

したがって、なるべく自然のものを使用することが、空気環境にいい健康住宅にとっては必要なことだと思います。

また、家づくりとは、直接関係ありませんが、家具や防虫剤、防カビ剤、芳香剤など住む人が自ら家に持ち込むモノから発生する化学物質にも気を配る必要があります。

特に、家具からの発生する化学物質の量はかなり多いことがわかっています。(特に新しい家具)接着剤を使用しない無垢材で仕上げた家具なら問題ありませんが、誰でも組み立てられる合板、パーティクルボード類などを使用した家具からは、多量の化学物質が発生している可能性があります。

このように自然素材を適材適所に使っていくことは、確かに環境に優しい家づくりにつながると思いますが、あまり神経質になって、かえってストレスがかかるようなことになってはならないと思います。
【参考:自然素材至上主義にはならない方がいい

環境に配慮することはコストもかかる

環境に配慮するということは、将来にわたって考えれば自分自身の利益にもつながりますが、ほとんどのケースでイニシャルコスト(初期費用)が多くなることは間違いありません。

限られた予算の中で、どの部分で環境に優しい家づくりが実現できるのか、他の実現したい点とのバランスを考慮しながら家づくりをしていく姿勢が必要だと思います。

【第1部:日本で家を建てるなら知っておきたいこと】

  1. 日本の住宅事情
  2. 日本の住宅産業
  3. 日本の工務店の特徴
  4. 日本の気候・風土
失敗しない注文住宅のための最重要ポイントとは?

このサイトでは注文住宅の家づくりに関していろいろな情報を提供していますが、その目的は注文住宅の家づくりに成功していただきたい、というただ一点に集約できます。

それは、裏を返せば、注文住宅を建てたけれどその後の新居での生活に不満が残る、後悔している部分がある、という方が結構いるという現状認識に基づいています。

簡単にはいかない注文住宅の家づくりですが、失敗しないためポイント(成功するためのポイント)は多岐にわたります。

このような数多くのポイントの中で管理人が最重要ポイントを位置づける点は何でしょうか?

公開日:
最終更新日:2016/09/23