注文住宅では値引き交渉可能なのか?

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注文住宅で値引きができたとしても・・・

当たり前ですが、注文住宅を建てるためにはかなりのお金が必要になります。

ということで、「なるべく安くていい家を建てたい!」、つまりコスパのいいお得な注文住宅が欲しいと考えて、業者との商談の時に値引き交渉をする人もいるかもしれません。

しかし、最初に結論から書きますが、管理人の個人的な意見としては

注文住宅の商談においては値引き交渉はおすすめしません!

値引き交渉可能かどうかと問われれば、相手先によっては「可能な場合もある」という回答になりますが、いずれにしても、値引き交渉自体基本的におすすめできません。

注文住宅は建売住宅とは異なり、契約時点で完成している物件ではありません。

完成している建売住宅の場合は、値引きをしようがしまいが、住宅としてのモノの品質に変化はありませんから、値引きできるならどんどん値引きしてもらった方がオトクになることは間違いありません。

実際に当初売り出しからある程度の期間が経過しても契約に至っていない建売住宅の商談では当初の売出価格から数百万円値引きになるケースも多いですし、値引き交渉することに価値があります。

しかし、完成していない注文住宅の場合には話はそんなに単純ではありません。

値引き交渉した場合にどんな影響が出るのかを考えてみましょう。

信頼関係が崩れてしまうかもしれない

注文住宅成功のカギの一つは「業者との信頼関係」だと思います。

このことは「信頼関係に基づいた家づくり」でも取り上げていますが、注文住宅は施主をプロジェクトリーダーとして進めるいろいろな人が関わって完成へと導かれる共同作業です。

家づくりに携わる人それぞれが果たすべき役割を果たしてこそいい家が完成するのですが、そこには信頼関係という基礎が備わっていなければならないと考えています。

しかし、どんな家にしたいのかという施主の思いを伝えるという本来の施主の役割を差し置いて、値引き交渉に力を入れるような施主に対しては業者サイドとしてはどんな感情を抱くでしょうか。

少なくともいい印象にはならないはずです。

注文住宅をつくるのは機械ではなく人です。

注文住宅の施工に関わる様々な人たちが「施主のためにいい家にしよう!」というモチベーションが保たれてこそいい家になると思いますが、施主との信頼関係が崩れているとモチベーションは下が、どこかおざなりなやっつけ仕事にならないとも限りません。

もし値引きを勝ち取って実益を手に入れたように見えても、それによって家づくりに関わる人たちとの信頼関係が崩れてモチベーションを下げることになってしまっては、結果的にはいい家にするという実益を得ることにはならないのです。

価格なりの施工内容になってしまうかもしれない

モノには適正価格というものがあります。

注文住宅の場合には既製品ではなくオーダーメイドなので、適正価格が何なのかわかりにくいという問題がありますが、それでも適正価格というものは存在します。

注文住宅の価格については、お客様の施主としては安ければ安いほどいいということになりますが、適正価格としては施工業者が事業を継続できるだけの適正な利益を織り込んだ価格である必要があります。

したがってもし値引きが実現したとしても、業者サイドとしては適正な利益を確保するために、当初見積もりで織り込んでいた材料費や労務費を削減しようという力が働く可能性があることはご理解いただけると思います。

少額の値引きなら、値引きした分をそのまま利益から削るということもありえますが、仮に百万円単位の値引きに応じたとすれば、それをそのまま利益から削るということは、業者サイドとしてはなかなかできません。

なぜなら、例えば工務店の場合ですが、多くの施主が想像しているような利益をとっていない現実があります。

工務店の決算書を見たことがある人はかなり少数だと思いますが、多くの工務店の売上高に対する粗利率はせいぜい10~20%程度で、営業利益率になるとほんの数%しか利益が出ていないか、営業利益ゼロという工務店も少なくありません。

つまり内情をばらせばそれほど儲かってない業者が多いということです。

ハウスメーカーの決算を見ても、業界全体としてそれほど儲かっている訳ではありません。はっきり言えば厳しい業界です。

このような背景があるために、施主が大幅な値引きをしてもらったとしても、業者の利益を確保するために材料費や労務費で調整される可能性が高くなるのです。つまり、値引き後の価格なりの施工内容になってしまう可能性が高いということです。

言い方を変えると、当初の見積から家の品質が低下してしまう恐れがあるということになります。

ちなみに、ハウスメーカーなどに比較的多いケースとして、施主から何も言いださないのに初めから期限付き値引きを提示して契約に結びつけようとする商談スタイルがありますが、このケースではそもそも値引き前の価格には過剰な利益が乗っていることが多いと思いますから、決して値引き額に惑わされることのないようにしましょう。

注文住宅を適正に安くするには?

以上のことから単純な値引きはいい家にするには有効な手段ではないことはご理解いただけるんじゃないかと思います。

それでもなるべく注文住宅のコストを抑えたいという人も多いと思いますので、以下その方法について挙げてみたいと思います。

  • 複数の施工会社でプランニング
  • 施工面積を小さくする
  • シンプルな形にする
  • 水回りを単純に
  • 仕様を落とす
  • あきらめる
  • 自分でやる(DIY)
  • 支給品を使ってもらう
  • アイデアをもらう

【詳細】注文住宅の費用を合理的に抑えるための主なポイント

簡単にまとめて言えば、以下のようになります。

  • 複数の業者にプランニングをお願いして見積金額やプランなどで総合的に満足の高い業者を選ぶ
  • プラン自体を調整して費用を削減する

特に1番目の業者選定は家づくり成功の大事なキーになります。
⇒失敗しない注文住宅のための最重要なポイントとは?

失敗しない注文住宅のための最重要ポイントとは?

このサイトでは注文住宅の家づくりに関していろいろな情報を提供していますが、その目的は注文住宅の家づくりに成功していただきたい、というただ一点に集約できます。

それは、裏を返せば、注文住宅を建てたけれどその後の新居での生活に不満が残る、後悔している部分がある、という方が結構いるという現状認識に基づいています。

簡単にはいかない注文住宅の家づくりですが、失敗しないためポイント(成功するためのポイント)は多岐にわたります。

このような数多くのポイントの中で管理人が最重要ポイントを位置づける点は何でしょうか?

公開日:
最終更新日:2018/11/15