普通は見ることはなかなか難しい。。。建売住宅の建築現場とは?
あなたは、建売住宅の建築現場を見てみたことはあるでしょうか?
おそらく、ほとんどの方が町を歩いていて通りすがりで見たというか、目に入ってきた、という程度で、じっくりと見てみたことはないと思います。
ましてや建売住宅を購入した人が、自分の購入した建売住宅の建築中を見たことがあるというケースはほとんどないでしょう。
当たり前ですよね。
建売なので、完成後の住宅を売りだして、それを見て購入するかしないかを決定するわけなので、自分の家の建築過程を見る機会は基本的にないわけです。
この建売住宅に対して注文住宅の場合には、逆に施主の方が建築現場を見ないということはまずほとんどありません。
施主の方は、施工会社を信頼して任せているといっても、やっぱり建築中の自分の家は気になるものです。
毎週のように見に来る方もいらっしゃいますし、そうでなくても上棟とかの節目などでは必ず建築過程を目にする方が普通です。
ご存知の通り建売住宅は注文住宅より安いことは間違いありません。
なぜなら、建売住宅は販売サイド主導でつくるからです。
そもそも売りやすいような価格設定ありきで、見栄えだけは最新のトレンドにあわせて、価格はおさえられます。
それでなぜ利益が出るかというと、注文住宅のようにお客様との打合せの手間などはありませんし、建築施工内容は建築基準法をクリアしていればいいというレベルで、低い価格設定でも利益が出るようなものに仕上げます。
この建築施工内容というのは、建売住宅の場合には完成形しか見えないため、住宅性能に影響を及ぼすような部分がわからないのです。
このように説明すると多くの方は、「建築基準法に則った家なんだから、そこそこ普通にいい家じゃないの~ だったらそれでもいいんじゃないの?」という反応になると思います。
しかし、ここで注意していただきたいのは、建築基準法のそもそもの成り立ちです。
第一条にこうあります。
このように建築基準法では最低の基準を定めることが大前提となっているので、いわゆる建売住宅とは基本的にはそういう家(最低基準をクリアした家)ということが言えます。
建売住宅の建築現場をよく見たことのない人でも、いつもよく通る道で建売住宅が建築されていたとすると、少し見ない間にどんどん工事が進んで、「あれっいつの間に」と思うくらいに早く完成してしまっていることを感じたことがあるかもしれません。
やはり工期が長くなると職人さんの工賃がかかるので、とにかく早く仕上げることが基本となっています。
更に建築中の住宅を見ると、注文住宅ではまずやらないような施工にお目にかかることもあります。(つまり材料と手間を極限まで切り詰めている施工)
こうやって改めて書いてみると、建売住宅って、いわゆるファーストフード的ですね。
早い、安い、うまい・・・住宅の場合は、そこそこの安全・快適
いろいろと書きましたが、私は建売住宅の存在自体を否定しているわけではありません。
食べ物でもファーストフードに存在価値があるように、建売住宅にも存在価値があると思います。
建売住宅の主なメリット(存在価値と言い換えてもいいかもしれません。)は以下の点だと思います。
- 注文住宅より安い
- 手間がかからない
- イメージしやすくわかりやすい
建売住宅が安いことは既に述べましたが、完成品の購入なので、注文住宅の打合せ・建材や設備の選択、地鎮祭や上棟式などの準備など手間がかかりませんし、外観だけで言えば見たまんまの商品を購入できるのでイメージしやすくわかりやすいです。
ということで、これらのメリットに重点的な価値観を持つ人にとっては、建売住宅の存在価値はあるわけです。
建築現場を見れば注文住宅と建売住宅の建築の違いはよくわかりますが、なかなか建売住宅の建築現場を見ることは難しいので、少なくとも注文住宅は建売住宅とは一線を画した建築内容であるということを知識として認識しておいたほうがいいと思います。
売れるように作られた既成品の建売住宅とお客様の要望に沿って作られるオーダーメイドの注文住宅、自分の価値観に照らしあわせて選択していただければと思います。
2016/06/10