タマホームの大幅業績下方修正で透けて見える今後の住宅業界

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先日大手ローコストハウスメーカーとして知られているタマホームが2015年5月期の連結業績見通しを発表しました。

それによると、純利益が前年同月比98%減!の3900万円になるということです。

背景には消費税8%が適用される前の駆け込み需要の反動減の影響が長引いたこと、そして消費税10%が延期になって、その前の駆け込み需要が見込めなくなったことがあるということです。

その他の大手ハウスメーカーの業績見通しの発表などを見ても、タマホームのような大幅な悪化ではないにしても、どこもかなり厳しい状況であることは見て取れます。

どの会社も言及しているように直接的な要因としては消費増税の影響だと説明するのがしっくりするのでしょうが、利益があがらなくなっているのは、人口減少・超高齢化社会に突入している日本の住宅需要そのものが減少の一途をたどっていること、そして近年の資材や人件費といったコスト増を価格に転嫁できていないこと、この2つが大きな要因です。

つまり、社会的な構造の問題なので、将来消費増税の影響がなくなったとしても、住宅業界にとっては厳しい状況は続くだろうということです。

実際2014年7月に出された野村総合研究所の予測では、新設住宅着工戸数は10年後の2025年には62万戸になるとしています。
ちなみに現在は約90万戸、一番多かったバブル期では160万戸以上ということですから、比較してみるとその減少幅はものすごいものがあります。

このように厳しさを増す住宅業界では、限られた住宅需要を巡っての、パイの取りあいという展開になっていくことは明らかです。

話は少しそれますが、限られたパイの取りあいと言えば大工などの職人さんの取りあいも激しさを増しています。

どの業界の職人さんでも後継者不足が叫ばれていますが、住宅業界における職人さんたちの後継者もうまく育っておらず、人手不足はかなり深刻です。
例えば大工さんの人口は2000年には64万人だったそうですが、2010年には39万人となったそうです。
2015年現在では更にかなり減少しているでしょう。

そうした限られた職人さんたちを確保しようと、大手ハウスメーカーも囲い込みに必死になっています。

こうしたことは結果として人件費というコスト増になって跳ね返ってくるわけで、ますます業績悪化の要因となっていくことになります。

さて、今回大幅な業績下方見通しを発表したタマホームが今後どうなっていくのかわかりませんが、少なくとも大手と言われているハウスメーカーも悪い業績が続けば市場から退場させられ、淘汰されていく時代になっていることは間違いありません。

大手でもそのような状況ですから、工務店規模の小さな会社は言わずもがなで、ますます工務店減少に拍車がかかっていくことになると思います。

このような厳しい状況を打破する特効薬などは当然あるわけはありませんから、ハウスメーカーや工務店といった会社の規模にかかわらず、将来芽が出て花を咲かせるだろういろいろな種をまきながら、いかに自分たちの信じる道をつらぬけるかが、将来を左右するポイントになってくるかもしれません。

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      2016/06/10

 - 家づくりコラム