注文住宅の家づくりで後回しにされがちなエクステリアについて簡単に知っておこう!

エクステリア計画

エクステリアという言葉はかなり浸透していると思いますが、英語を直訳すれば「外観」です。

住まいで使用する場合には、「住まいの外部・外観=建物の外側部分だけでなく、門扉、フェンス、テラス、ウッドデッキ、カーポートなどを含めた建物の外側空間全体」を意味します。

こうしたエクステリアについてきちんとしたプランがあるかというと、優先順位としては後回しになって、家づくりではとても曖昧になっているケースが多く見られます。

注文住宅の家づくりを進めるには、その過程で決めていかなければならないことが山のように出てきます。
そして、それらの決めていく中で後回しにされがちなのが、エクステリア関係です。

たまに見かけますが、家は完成して住み始めても、エクステリアはずーっと工事中のように土のままになっているケース。
(もちろんある一定期間については工事日程等で仕方ありませんが・・・)

その背景には、やはり予算上の問題があります。
注文住宅の建築で気をつけたいのが、予算配分です。

土地の購入から始める場合には、いい土地を手に入れたいために、少々無理をしてまず敷地に配分する金額が高くなり、家の建築予算配分にしわ寄せが行きがちになります。

そして配分が少なくなってしまった家の建築予算の中でも、エクステリア関係は優先順位が低くため、結局エクステリアにかけるお金がほとんど残らない、というケースも出てきます。

総予算の中でどのように配分するかを考えておかないと、最後に残るエクステリアにしわ寄せが来る結果となるのです。

家の中での暮らし方、生活が優先されますから、家の外側に関しては優先順位が低くなるのはわかりますが、家の外側空間も家を構成する重要な要素であることは間違いありません。

外観は施主の感性、センスが表現され、その完成の満足度が高ければ、施主の心に潤いや心地良さをもたらすものとなりますが、そうでなければ不快の原因ともなります。
(快適、不快の要因としては物理的にもたらされる温度や湿度などをまず思い浮かべると思いますが、見た目、雰囲気の影響も忘れてはなりません。)

仕事から家に帰ってきて、自分の感性にマッチした家の外観が迎えてくれるのと、そうでない場合では、その後に家の中に入ってからの心のリラックス度合いも違うのではないかと思います。

エクステリアというと一昔前は、家自体の外観に加えて境界線を囲うだけの外構工事がメインでしたが、現在は家の外側の空間全体で施主様の感性やこだわりを表現する場として捉えられています。

ここで、エクステリアの種類について簡単に整理したいと思います。大きく分けると、クローズド型とオープン型があります。さらにその折衷型のスタイルとしてセミクローズド型があります。

1.クローズド型

一昔前の日本の家に一番多く見られたエクステリアで、外部からの視線を遮断するタイプで、開放感としては難がありますが、プライバシーの観点からは一番守られるタイプと言えます。

また閉鎖的なため防犯上に難点があると言われています。(視線が遮断されるので、不審者が死角に入りやすい。)

最近は日本でも以下のオープン型が多くなっていますが、オープンにしたがために、子供が勝手に立ち入ったり、犬の散歩の立ち寄りなど安易な侵入が増えて、トラブルとなってオープン型からクローズド型にする人もいます。

2.オープン型

オープン型は、洋画に出てくるような欧米の家のイメージです。
門扉や塀で囲うのではなく、草花や樹木で演出するような開放感のあるエクステリアです。

オープン型については、このスタイルをセンスよく維持管理するのは結構手間がかかる場合があることは認識しておいた方がいいかもしれません。
オープン型では、他のタイプに比べて、特に草木や花、樹木、石やレンガなどが重要なアイテムとなってきますが、季節を通じて年間いい状態に維持するのは結構手間がかかる場合があります。
また、前述した通り、ご近所の環境にもよりますが、安易な侵入が増えてそれが原因でトラブル、ストレスになることもあるので、注意が必要です。

3.セミクローズド型

クローズド型とオープン型の折衷型ということで、欧米のようにまったくのオープンにはせずに、低い位置の塀やフェンス、植物等で玄関への侵入は防ぎつつ、カーポートなど敷地を部分的にオープンにして、プライバシーを守りながらもクローズド型よりも開放感を出すように計画されています。最近の日本の家では人気のエクステリアのタイプです。

上記のどのタイプにするかは、周辺環境と自分自身が何を優先するのかによって変わってきます。

周辺環境としては、例えば小学校の通学路に面している場合には、子供の安易な侵入が起こる可能性があるので、オープン型にはしにくいかもしれません。それから近所の住宅がオープン型ばかりの中で、クローズド型にするのは、閉鎖的な空間を作ることで、ご近所付き合いに影響してしまうかもしれません。そして、自分自身がプライバシーに重点を置きたいならば、クローズド型になるでしょうし、開放感を求めたいならオープン型という選択になるでしょう。

ということで、どのタイプにするかは、周辺環境、プライバシー、開放感、防犯などの観点から総合的に判断していただきたいと思います。

それから、いずれのタイプについても、重要な部分は、やはり入り口から玄関までのアプローチになります。
家を訪れる人が必ず通って目にする部分ですから、家の風格や第一印象を決める重要な部分となります。

その他に、テラスやウッドデッキ、照明、カーポートなど人によって検討する内容は全く異なりますが、この計画を家づくりの最初からきちんと練っておく必要はないと思います。

資金的に余裕がないなら、重要な部分として門扉、フェンス、アプローチ、カーポート部分などを優先して選択していき、それ以外の部分は住み始めてからでも、趣味や生活様式に合わせて徐々に充実させていけばいいと思います。

それから、外付けのコンセントを取り付けておくのを忘れないようにしましょう。
後から付けようとすると工事が大がかりになって、金額もかさみますので、最初の工事の時に取り付けておくといいと思います。

以上簡単にご説明しましたが、お伝えした通り、外側の見た目も重要ですから、予算上の配分をキチンとした上で、家づくりのプランでエクステリアも検討していきたいですね。

失敗しない注文住宅のための最重要ポイントとは?

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      2016/06/10

 - 家づくりコラム