注文住宅の費用を合理的に抑えるための10のポイント
「注文住宅の費用の内訳を知ろう!」で注文住宅を建てる際の費用の概略を説明していますが、当たり前ですがよほどのお金持ち以外は予算は限られているので、できるだけ費用をおさえながら理想の家に近づける努力をしなければなりません。
ここでは費用をおさえるために検討すべき主なポイントを整理してみたいと思います。
目次
プランニング時点で考える費用削減
複数の施工会社でプランニング
施工会社(業者)の選択は、結果的に注文住宅の費用という観点からも大きく関わってきます。
大事なことは複数の業者にプランニングをお願いすることです。
注文住宅のいいところでもあり、難しいところでもあるのですが、複数の業者に同じ条件(土地、施工面積、要望等)を伝えても業者それぞれで全く違う設計や見積金額が出てきます。
見積金額ではかなりバラツキが出ることも珍しくありません。(相見積もりで1割程度の価格差が出る可能性はあります。例えば2000万円の見積なら200万円程度)
プランニングが異なるので、単純に見積金額を比較することはできませんが、業者の選定次第で費用をおさえられることは確かです。
多少高くても気に入ったプランを提示してくれた業者を選択するという判断もありえますから、見積金額だけで決められるほど業者選定の話は単純ではありませんが、繰り返しになりますがまずは複数の業者にプランニングしてもらいましょう。
プランニングを複数比較してみることで見えてくることが結構あると思います。
(施主の発想自体も広がるので有益なプロセスになります。)
見積金額、プラン、業者の能力、人との相性などを総合的判断して業者選定をしていただきたいと思います。
ちなみに、費用という観点だけで言えば、施工場所から近い業者の方が人件費の面で基本的に安くなります。
ということで、特に工務店の場合には近場で実績と信頼性の高い業者をプランニング対象候補として含めてもいいと思います。
施工面積を小さくする
非常に単純で当たり前のことですが、施工面積を小さくすることは費用削減効果としては確実です。
多くの人がなるべく広い家にしたがりますが、予算に合わないとなれば、家自体を小さくすることも検討する必要があります。
注文住宅の家づくりでは、全ての要望を実現させることは現実的に不可能なケースがほとんどですから、要望リストの優先順位付けをしておく必要があります。
その中で、他の実現したい要望よりも家の大きさが優先するのであれば、施工面積をあえて小さくする必要はありませんが、予算という制限がある以上、実現したい要望の優先順位付けで他の要望が譲れず、予算オーバーとなるなら、新居での暮らしを改めてシミュレーションしてみて、家の広さをある程度犠牲にすることも検討する必要があると思います。
例えば、家で一番寛ぐ時間の長いリビングの広さは譲れないけど、寝室は寝るだけの部屋だと割り切って考えるなら、よりコンパクトな広さでも構わない、というような発想です。
暮らしやすさを極力犠牲にしないで、施工面積を小さくするアイデアを業者からもアドバイスをもらいながら検討していただければと思います。
シンプルな形にする
家の形状はシンプルであればあるほど安くできます。(究極は立方体のような家)
逆に入り組んで複雑な形状になるとコスト増の要因となります。
どんな外観がいいのかは個人の感性にもよるので一概にどの形がいいとは言えるものではありませんが、家の外観は注文住宅の満足感を左右する重要な要素の一つになるので、単に費用の問題としてだけでなく検討してほしいと思います。
尺モジュールを使う
建築の設計で基準となる寸法をモジュールと言いますが、日本の建築資材は尺単位のものが圧倒的に多いので、尺モジュールでプランニングした方が費用を抑えられ、建築資材の選択肢の幅も広がります。
逆にメーターモジュールにすると、廊下を広めにできるなどのメリットがありますが、使用する部材が増えてコスト増になり、建築資材の選択肢の幅は狭まります。
水回りを単純に
浴槽、トイレ、洗面所などの水回りをシンプルにして集中させることはイニシャルコスト削減にもなりますし、メンテナンスの関係からは将来的なランニングコストの削減にもつながります。
まあこの点は施主が特に要望として伝えなくても業者サイドで考慮してプランニングしてくれると思いますが・・・
プランニング後に考える費用削減
仕様を落とす
注文住宅ではいろいろなことを選択し決めていかなければなりませんが、建材、設備などもいろいろな製品があり、どれがいいのか選択に迷うことも多くなると思います。
業者からカタログを渡されて「この中からどれかを選んで下さい。」と言われても、気に入るのは価格の高い商品ばかりなんてことはよくあるケースです。
また、一般的な製品では満足できず、自分で気に入った特殊な建材や設備を探し出すことでコスト増になってしまうケースもよくあります。
結局このような選択肢の積み上げで、当初予定から金額がどんどん膨らんできてしまうのが、注文住宅の施工ではありがちなパターンです。
家を建てるのは普段の買い物をは異なり金額が非常に大きいので、金銭感覚がマヒして、グレードの高いものを選択しがちですが、コストにシビアになるなら、グレードを下げる(仕様を落とす)ことも検討しなければなりません。
あきらめる
上記のように仕様を落とすことも費用削減になりますが、思い切って何かをあきらめるということも時には考える必要があります。
- 本当に必要なのかどうか
- 実際はなくても構わないのではないか
- 後回しにできるのではないか(施工後資金的に余裕ができてからやってもいいのではないか)
何かをあきらめるということは大きな決断ですが、費用抑制には大きく寄与します。
自分でやる(DIY)
当たり前ですが、自分で何かをすればその分人件費をカットできますから費用削減になります。
さすがに躯体にかかわる施工など住宅の重要な部分に素人が手を出すことはできませんが、仕上げ部分など素人が手を出しても問題ない施工はあります。
事例として多いのは塗装系ですね。
漆喰や珪藻土などを塗る作業は、プロのようにできなくても、ある程度のムラも味わいとして捉えることもできますし、施主や施主家族がやるというケースは結構あります。
また普段からDIYに馴染みのある人などは、ウッドデッキや外構のエクステリアなどを手掛ける人もいます。
費用削減という目的だけでなくても、思い入れのある家にするために、自分で一部を仕上げる家に取り組んでみてもいいと思います。
支給品を使ってもらう
建材や備品などについては施主自身がインターネットやホームセンターで購入できる可能性があります。
施工業者が見積で提示している価格と比較して施主が調達する方が安ければ、それらを支給品として使ってもらうことで費用削減できる可能性があります。
ただし、それは単純に価格だけで決められるものではありません。
搬入や取り付け、アフターサービスなどを総合的に考えると価格がある程度高くても業者に依頼した方が安心という場合が多いからです。
具体的には、照明器具、表札、ポスト、タオル掛けなどは施工にほとんど影響がなく、最後に取り付ければいいものなので、業者サイドも対応してくれると思います。
アイデアをもらう
建築費用を削減するために、建築の素人である施主がいくら頭を絞って考えたところで、それほど多くのアイデアが出てくるものではありません。
やはりプロである業者の方が圧倒的に費用削減の引き出しをもっています。
請負金額を値切るという姿勢では業者は快く思いませんが、予算上の関係で費用削減の必要性を真摯に訴えれば、誠意ある業者なら何らかの費用削減のアイデアを提示してくれると思います。
公開日:
最終更新日:2018/11/15