外断熱じゃなきゃダメなのか?
結論から言いましょう。
外断熱工法(外張り断熱工法)は、「注文住宅に備わっているべき性能」を実現するために有効な手段の一つだと考えていますが、必ず外断熱工法でなければいけないというものではありません。
ここで言う「注文住宅に備わっているべき性能」とは何かと言えば、それは、そこに暮らす人の快適性、安心・安全性、家の耐久性・耐震性、環境へのやさしさといったものです。(※「注文住宅に備わっているべき性能」については別ページで具体的にまとめていますので、そちらをご参照ください。)
こうした「注文住宅に備わっているべき性能」を実現させるために、先人たちはさまざまな工夫をして、家づくりを進化させてきました。そして、その技術的な進歩は現在も進行しています。
外断熱工法とは、そうした進歩の過程で生まれた断熱工法の一つであり、それほど新しい技術ではありません。正直なところ、家の性能をもっと向上させる方法があるならば、外断熱工法にこだわる必要はまったくありません。
したがって、「内断熱工法と外断熱工法のどちらがいいか?」のような議論がずいぶん前からありますが、「注文住宅に備わっているべき性能」を実現させることができれば、極端な話、内断熱工法でも外断熱工法でもそれ以外の断熱工法でもかまわないのです。
昔から内断熱工法を施工していて、その施工技術に自信があり、内断熱工法で、「注文住宅に備わっているべき性能」を実現させることができるという業者もあると思いますし、外断熱工法にメリットを見出して施工している業者もありますが、そのどちらのあり方も否定するものではありません。
結局のところ、「内断熱工法と外断熱工法のどちらがいいか?」という世の中の議論はどうでもいいことで、それぞれの業者が、お客様の幸せ実現のためにどんな家づくりがいいのか(その検討の一部に「断熱工法をどうすべきか」があります。)を真剣に考え、視点がそこからずれていないことが重要だと思います。
管理人個人的には、外断熱工法の方が、「注文住宅に備わっているべき性能」を実現させやすいと考えていますが、もちろん、「注文住宅に備わっているべき性能」は外断熱工法だけで実現できるものではありません。
家の性能はあくまでトータルで実現されます。断熱工法の選択はその一部でしかないことを忘れてはいけません。
家は、構造、材料・材質、設計、デザイン、断熱工法、施工会社の施工技術、業者と施主の信頼関係構築など、さまざまな要因が絡み合って、最終的に家という成果物が完成します。
断熱工法の選択はその一部で重要な点ですが、それ以外の点もそれと同等もしくは、それ以上に重要な点です。
もし断熱工法にこだわるあまり、他のポイントをないがしろにしてしまっては、バランスのとれたいい家とはなりません。
外断熱工法のデメリットでもご説明していますが、外断熱工法の最大のデメリットは内断熱工法と比較してコスト増になってしまうという点です。
断熱工法以外についても、家の性能を高めるには、必ずコストの問題が絡んできますから、限られた予算という枠組みの中で、バランスのとれた予算配分を考慮して、トータルとして満足度の高い家になるように心がけることが大事だと思います。
2018/10/29