日本の気候・風土
日本の気候・風土については、みなさんも昔学校で学んだことがあると思いますが、日本の気候と一口にいっても、日本は南北に長く、地形的にも山地が多いため、地域ごとにいろいろと特徴があります。
全体的には、温帯に属しますが、北海道は亜寒帯、沖縄などの南西諸島は亜熱帯に属します。そして、太平洋側と日本海側、中央高地、瀬戸内海などで特徴のある気候分類ができます。
当たり前のことですが、家づくりというものは、その地域の気候とは切っても切り離せません。
ある地域では快適な家づくりを、他の地域の気候をそのまま持ち込んでも、快適な家になる訳がないのです。
ですから、実際に家を建てる土地の気候を十分に考慮することがとても重要になります。
このように、日本各地ごとにそれぞれ気候の特徴があり、その地域ごとに快適な家の条件は細かく変化しますが、ここでは、代表的に日本の多くの地域が属する温帯、その中でも温暖湿潤気候の特徴に触れたいと思います。
- 年間の気温の差が大きく、四季が明瞭である。
- 夏は、海洋側から大陸側に向かって暖かく湿ったモンスーンが吹くため、通過する地域である大陸東岸は暑く、湿った気候となる。
- 冬は夏とは逆に大陸側から海洋側に向かって冷たく乾いたモンスーンがその地域を吹き抜けるため冷たく乾燥した気候となる。
(日本海側は、冬に湿潤となり、多くの降雪となる。) - また、夏から秋にかけて、しばしば台風などの熱帯低気圧の影響を受け、夏の降水量が多い原因となっている。
こうしてみると、日本の典型的な気候の特徴として家づくりにおいて考慮しなければならない点は、温度差と、高湿度だということがわかると思います。
もう一点、気候ではありませんが、家づくりで絶対に忘れてはならないのが、地震大国といわれる日本の地震の多さです。
ご存じの通り、日本は太平洋プレート、ユーラシアプレート、フィリピン海プレート、北アメリカプレートが交わる地帯に近く、多くの活断層を持つ地震大国であり、どこに家を建てても、地震の危険性が伴います。
歴史を振り返ると、大地震による壊滅的な被害から何度も立ち直ってきましたが、近い将来でも、特に太平洋側では、かなりの確率で大地震に見舞われると予測されています。(一説には、首都圏でのM7以上の地震は、30年以内に70%以上の確率で起こると予測されている。)
家づくりにおいて、この大地震に対する備えは必須事項です。家は、家族の暮らしの基盤ですから、そこが崩れることは甚大な影響を与えるのは言うまでもありません。
最近でも各地で大地震が発生し、その度に家の全壊・半壊などで仮設住宅での生活を余儀なくされている人たちが沢山でていることはとても悲しいことです。
このように、日本という地で、家を建てるには、温度差、高湿度に対抗できる快適性、そして地震に対する安全性は避けられない課題となっているのです。
そして、ご存じの通り地球規模での温暖化が懸念されていますが、実際に昔にはあまり考えられなかった突発的な異常気象が多くなってきている気がします。
日本の気候もますます住むには厳しさが増してくる可能性があることも、家づくりにおいて頭に入れておいた方がいいかもしれません。
【第2部:これからの注文住宅に求められること】
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最終更新日:2016/09/23