信頼関係に基づいた家づくり
このことは、別ページでまとめた「施主参加型の家づくり」が前提になければ成立しません。
つまり、信頼関係というものは、自分自身が行うべき役割まで、相手にお願いするような「お任せ型の家づくり」で成立するものではなく、お互いの役割をきちんと果たした上で、相手を尊重し、信頼することで成立するものだということです。
(つまり、お互い対等で、双方向のやり取りの中で成立する。)
例えば、お任せ型の施主さんがいるとして、自分の要望を業者によく理解してもらおうと努力するという、施主としての重要な役割を行わずに、「まぁだいたいこんな感じのイメージで考えていますから、後は業者さんにお任せしますよ~」というようなスタンスで、家づくりに真剣に向き合わなかったら、どうでしょうか?
多分、請け負った業者としては、施主がその程度の態度なら、設計や施工もだいたいこんな感じでいいかな~と、どこか芯の通っていないような家になってしまいがちになると思いますし、そこには信頼関係は生まれてきません。
反対に、家づくりに真剣に向き合う施主には、いい加減な対応で臨めませんから、業者も真剣な対応になりますし、そこにこそ施主と業者の信頼関係が生まれてくると思います。
しかし、真剣に向き合うといっても、施主の家づくりへの熱意の入れ方が、金額交渉だったり、非常に細かい施工方法や技術といった建築サイドの専門領域に極端にいきすぎる場合も、やはり問題になりがちです。
施主として本来向き合わなければならないのは、「施主参加型の家づくり」でも触れているように、家族の暮らしを新しい家とともにどのようにしたいのか、そのためにはどんな家がいいのか、ということであるのに、いろいろな業者さんとの駆け引き交渉にばかり力を入れたり、本などから得た付け焼刃の知識をもとに、本来建築サイドの専門領域である施工方法にまで、細かく指示するようなことは、業者サイドから施主に対する信頼は生まれません。
やはり、家づくりというプロジェクトに関わる全ての人たち(施主、請負業者、請負業者の個別の作業依頼先の各種の専門業者など)が、それぞれの役割をきちんと誠実に行うことにより信頼関係が生まれ、共同作業としての家が完成するのだと思います。
家というものは、様々な資材や設備が組み合わさって完成する一つの物体ですが、その完成までには、様々な人がそれぞれの役割を演じ、関わり合う人たちの信頼関係を基礎として、成立するものだということを忘れてはなりません。
したがって、家づくりに関わる人たちの信頼関係は家づくりを成功に導く必要不可欠な要件なのです。
【参考:注文住宅の家づくりとは】
【第2部:これからの注文住宅に求められること】
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最終更新日:2016/09/23